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病気のはなし

続・皮膚科医が皮膚がんを疑うとき

2021年3月

部長 鑑 慎司

「緑のひろば」2019年10月号に掲載された「皮膚科医が皮膚がんを疑うとき」 の続編です。
他にも気を付けなければならない皮膚のできものを以下に列挙します。

日光角化症

頭、顔、手背など日光に当たりやすいところに出やすいです。赤くて、かさぶたやざらつきを伴います。中には角質が分厚くなり、イボのようになるものもあります。病変が表皮内にとどまる、ごく早期の有棘細胞癌と考えられています。放置すると有棘細胞癌に進行することがあります。昔は手術をすることが多かったですが、最近は塗り薬でも治療できるようになりました。治療をしても、日光に当たっていると再発します。それを予防するためには、日焼け止めを塗ったり、帽子や日傘などで日光を防いだりすることが大切です。

続・皮膚科医が皮膚がんを疑うとき

ボーエン病(Bowen病)

赤や茶色の少し隆起したできもので、病変部の境界ははっきりしています。表皮内の皮膚がんですが、たまに有棘細胞癌に進行します。湿疹だと思って治療していてもなかなか治らないものの中には、この病気が紛れ込んでいることがありますので要注意です。診断を確定するために、皮膚病変を切除して病理検査をします。

続・皮膚科医が皮膚がんを疑うとき

基底細胞癌

黒色、黒褐色や青黒い色のできものです。中央がへこんで血が出ることがあります。ライトがついた拡大鏡で検査(ダーモスコピー)をすると特徴的な見え方をします。顔に出ることが多く、皮膚がんの中では頻度が多いです。転移することは稀ですが、時に局所再発を繰り返すことがあります。

続・皮膚科医が皮膚がんを疑うとき

パジェット病(Paget病)

乳頭や乳輪にできる乳房パジェット病と、陰部やわきの下にできる乳房外パジェット病があります。皮疹は赤いことが多いですが、部分的に白や褐色を呈することや皮がむけて血が出ることもあります。時々病変部の境界がはっきりしません。湿疹を治す外用ステロイド剤や、水虫やカンジダを治す外用抗真菌剤が効かない時は、たまにこの病気ですので皮膚科医は見逃せません。

続・皮膚科医が皮膚がんを疑うとき

有棘細胞癌

表皮のみならず真皮にも及ぶ皮膚がんです。紫外線、ヒトパピローマウイルス、放射線、外傷や熱傷のあとにできた瘢痕などが発症に関与すると言われています。大きくなるといぼのようになり、表面の皮がむけたりえぐれたりすることがあります。手術をして治療することが多いですが、放射線治療が効きやすいのが特徴です。

続・皮膚科医が皮膚がんを疑うとき

転移性皮膚腫瘍

がんになったことがある方の赤いできものや皮膚の深いところにできたしこりは、がんの転移であることがあります。診断を確定するためには、皮膚病変を切除して病理検査をするしかありません。その一方でへその皮膚のできものが転移性皮膚腫瘍だと診断してから、最初に内臓に出たがんが見つかることもあります。

続・皮膚科医が皮膚がんを疑うとき

エクリン汗孔腫

汗腺の細胞が増えて盛り上がったできものです。赤いことが多いですが、時に黒いこともあります。見た目が皮膚がんと紛らわしいことがありますが、エクリン汗孔腫は皮膚がんではありません。

続・皮膚科医が皮膚がんを疑うとき

皮膚がんは通常痛くも痒くもないので気づきにくいですが、内臓のがんとは異なり患者さんが自分で早めに見つけることができます。自分の全身の皮膚に見慣れないできものができていないかどうか、時々鏡で見てみましょう。そしてできものが気になるときは、皮膚科を受診しましょう。

関連リンク

詳しくはこちらの診療科にて

皮膚科

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