治験管理室紹介
当院では、治験に参加される患者さまの、人権保護及びからだの状態に対して、きめ細かな目配りをすることができるよう、また治験を行うための新ルール(新GCP:Good Clinical Practice)に沿った科学性・倫理性を確保できる治験を実施する目的で平成14年10月に治験管理室を開設しました。
治験事務局では、大きく分けて以下の4つの業務を行っています。
治験事務局
治験の受入から終了まで、治験依頼者に対する病院側窓口としての業務を行っております。実際には、以下の業務を行っております。
- 治験実施に伴い発生する各種書類の作成・交付・保管
- 治験依頼者による、治験計画書どおりに実施しているかの調査への対応
- 治験開始時における医師・薬剤部・検査科・放射線科・病棟との調整
- 販売後調査(新薬として発売した医薬品に対して承認時に得られた有効性及び安全性を確認する調査)に伴い発生する書類の作成・交付・保管
治験審査委員会事務局
治験を行う医療機関には、厚生労働省により、医師・薬剤師・看護師・事務及び患者さまの側に立った審議が出来る様に病院と利害関係のない委員(外部委員) から成る治験審査委員会の設置が義務づけられています。
委員会では、新規治験審査及び実施中の治験実施計画書の変更や国内・海外で新たに報告された副作用などに対し、倫理的側面から各委員の専門的立場で審議を行い、治験の開始・継続・中止などを決定しております。
治験審査委員会事務局は、委員会での審議資料の作成・議事録及び報告書の作成などの業務を行っております。
治験コーディネーター(CRC:Clinical Research Coordinator)
CRCは治験を実施する上で、治験担当医師の指導・監督のもとに、「専門的立場から医師の業務をサポートする」という役割があります。
主な役割としては、「治験の倫理性・科学性を保証する」ことと、「患者さまの安全・人権を守る」ことで、業務としては、関係職種との連絡・調整、治験データの収集と書類の管理、患者さまの観察とケアなどを行っています。
特に、患者さまとの関わりをもう少し詳しくお話しますと、 医師からの治験説明後の補足説明、患者さまの次回来院日の確認、服薬状況の確認、残薬・空包装の回収、来院毎に診察前にお会いしてその日の実施検査などの説明、普段と違った症状がなかったか確認し、面談後の診察へ同行など、CRCは治験の最初から最後まで患者さまに関わっております。
製造販売後調査
『治験』からの情報は、専門医のもとで患者さまの選択を厳密に行い限られた条件でのものであり、一旦新薬として発売され多様な患者に使用されたとき、どんな副作用が隠れているか、本当に有効性があるのかという情報は十分とはいえません。
そこで発売後も調査し監視していく必要があり、国(厚生労働省)は、企業に対して有効性及び安全性の情報収集を義務づけており、このために行われる調査を製造販売後調査といいます。
治験管理室は、病院の窓口業務を行っております。