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病気のはなし

リウマチ膠原病領域の最近のトピック

2023年7月

医長 高橋 裕子

1.関節リウマチってどんな病気?

関節リウマチは、免疫の働きに異常が起きて、自分自身の関節に炎症を起こして、関節破壊をきたす疾患です。発症の原因は不明で、遺伝的要因、喫煙などの環境要因が関係するとも言われています。30歳~50歳代の女性に多発し、女性は男性の約4倍多く発症します。しかし60歳以降に発症する人もいます。

2.関節リウマチの症状・検査・診断

関節リウマチは血液検査だけでは診断できず、痛みや腫れのある関節の数と部位、RF・抗CCP抗体、炎症反応の有無、症状持続期間を点数化して判断します。関節リウマチ(RA: rheumatoid arthritis)の診断に現在では2010年のACR/EULAR分類基準を使用します(図1)。症状としては主に関節の圧痛腫脹・朝のこわばりです。関節炎は左右対称に多関節に出現することが多いですが、片側の関節や、早期であれば腱鞘炎で発症することもあります。手関節第1関節が痛む場合は変形性関節症を疑います。関節リウマチの活動性が高いときは、皮下結節(リウマチ結節)や全身倦怠感・体重減少・リンパ節腫脹・微熱などが見られることがあります。血清学的検査ではリウマトイド因子(RF)や抗CCP抗体を測定します。多くの関節リウマチで陽性になりますが、両者が陰性でも関節リウマチの場合や、陽性でも関節リウマチでない場合もあるので、診断には注意が必要です。活動性の指標として、他覚的な圧痛腫脹関節数や炎症反応(CRP)・血沈(ESR)、MMP‐3(関節破壊と相関)を評価します。画像検査として、関節X線検査や関節エコー検査、MRI検査などを行います。

リウマチ膠原病領域の最近のトピック (図1)

3.症状の進み方

リウマチの初期症状は、関節の炎症によるこわばり、関節の圧痛・腫れです。関節リウマチが進行するとともに、関節の軟骨・骨が破壊され、変形・脱臼を起こします。このため、日常生活動作に支障が生じます。関節破壊の進行は発症直後早期から急速に起こることが分かってきました。関節腫脹圧痛が外から見てわからなくても、関節内部で炎症が続いて関節破壊が進行することがあります。関節リウマチの進行度は関節破壊と機能障害の程度から分類します(図2)。

リウマチ膠原病領域の最近のトピック (図2)

4.治療

昔は、関節リウマチはゆっくりと進行し、発症から10年以上経過してから関節破壊が生じるといわれていました。しかし、1990年頃より関節破壊の進行は発症早期から急激に起こることが分かりました。このため、早期診断、早期治療といわれるようになりました。
 また治療では、患者さんと主治医が治療の目標をはっきりと決めて、その目標に向けて一緒に治療していくことが重要です(Treat to Target:T2T)。
①臨床的寛解: 関節の痛みや腫れをとること
②構造的寛解: 骨・関節破壊の進行を抑えること
③機能的寛解: 生活機能(QOL)を改善すること
 まずは①を目指し、炎症を十分に落ち着かせます。臨床的寛解を達成出来たら、現在の治療で十分なのかどうかを定期的にチェックし、治療を見直していくことで、臨床的寛解の状態を維持し続けるよう努力いたします。①を続けることで②、③につながっていきます。
 治療方法は、関節リウマチにおける免疫異常を改善する、「抗リウマチ薬」を開始し、痛みの程度や日常生活の障害度合いにより、炎症や痛みを改善する痛み止め(NSAIDs)を併用します。抗リウマチ薬は効果判定しながら、副作用に気を付けて、継続することが重要です。

2020年日本リウマチ学会リウマチ治療のガイドラインでは可能な限りメトトレキサート(MTX)より治療を開始することが望ましいとされています。しかし、MTXが使用できない患者さんはMTX以外の抗リウマチ薬(csDMARDS)を使用します。MTX単剤で効果不十分な場合はMTX及びcsDMARDs併用可能です。原則として6か月以内に治療目標である「臨床的寛解もしくは低疾患活動性」が達成できない場合には、次のフェーズに進みます。治療開始後3か月で改善がみられなければ治療を見直し、RF/ACPA陽性(特に高力価陽性)や早期からの骨びらんを有する症例は関節破壊が進みやすいため、より積極的な治療(日本国内で保険適応の生物学的製剤(図3)を考慮します。しかし、関節破壊が進行し、日常生活に支障をきたした状態になった場合は、身体機能評価を行い、装具治療・生活指導・筋力保持などのリハビリテーションを行います。関節機能障害変形が重度の場合は関節機能再建術などが考慮されます。保存的治療継続中および外科的治療後も、適正な薬物治療を常に検討します。

リウマチ膠原病領域の最近のトピック (図3)

5.生活上の注意点

痛みや腫れがひどいときは安静・関節保護が重要です。関節症状が落ち着いたら、適度な運動やリハビリテーションを行い、筋力や関節の働きを維持しましょう。また、感染症には常に注意しましょう。規則正しい生活を送り、外出時は人混みを避けること、外出後は手洗い・うがいをすること、また、虫歯・歯周病はしっかり治療しましょう。

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