病気のはなし
“経過観察”って? “要○○”って?~”読んで”ほしい人間ドックのレポート~
人間ドックを受診すると、後日レポートが届きます。もちろん開封してご覧になっています・・・よね?
「見るのが怖くて開けられない」→ぜひ見てください。
「数値は見た」→あの、数値や所見などの「結果」そのものだけじゃなくて、「判定」や「指導(上から目線のようであまり好きな言葉ではないのですが)」も載っているのですが・・・
「“要○○”とか細かいところはよくわからないし、面倒」
うーん、確かに学生の時テストが返ってきても点数しか見なかったなあ・・・と気づいて、この欄を拝借しました。
生活習慣病をはじめとした・血圧・コレステロール値・尿酸値・血糖値などの数字で表される項目には、それぞれ「基準値」があります。「基準値」は「健康と考えられる人の95%が含まれる範囲」に設定されています。確かに基準値は健康の一つの指標ですし、ご自身の数値がその範囲にあるのか、高いのか、または低いのかなど、見てわかりやすいのですが、基準値を外れたら即「何らかの疾患」というわけではありません。
基準値内にあるのか、外れていた場合にはそれがどの程度問題なのかを示すのが「A」「B」などの「判定」です。判定を行う項目と基準は人間ドック学会などから示されています。X線や心電図、超音波検査、内視鏡検査などの数値で表すことができない検査にも記載されています。「A」であれば基準の範囲にある、または異常がないことを示し、「B」であれば、基準からは外れているがそれほど心配のない状況といえます。「C」「D」となるにつれ「気にしてほしい」度合いが強くなってきます。「E」はすでに治療が行われている状態です。
この「判定」から「じゃあ、どうしたらいいんだろう」ということを示したのが「指導」になります。ここで“経過観察”とか“要○○”といった言葉が出てきます。
“経過観察”というのはなかなか解釈の難しい言葉です。中には加えて“○か月後再検”という言葉がくっついていることもあります。
生活習慣病に関する数値などでは「○か月黙って様子を見ていればよい」わけではなく「生活習慣を見直すことで改善できるかもしれないので、トライしてその成果を○か月後に見てほしい」という強い願いが込められています。
X線や超音波検査であれば「何か起こったら医療機関を受診すればよい」と考えるかもしれませんが「勧められた期間(記載がなければ概ね1年)の後に、大きくなるなどの変化が出ていないか確認してほしい」という意味合いになります。
“要受診”や“要精査”の場合には治療が必要な状態の数値だったり、見つかった所見の正体や原因、場合によってはがんの可能性などをはっきりさせるためにより詳しい検査が必要な状態だったりしますので、ぜひ医療機関を受診してほしいと思います。
ドックによっては総合的に判定した医師がコメントを記載していることがあり、時には一律の判定では表せない微妙なニュアンスを何とか伝えようという医師の思いがにじみ出ていたりします。面倒と言わず、眼を通して頂きたいところです。
人間ドックは受診して頂くのもさることながら、なにより「結果を皆さんの今後に生かして頂くこと」が一番大事と考えています。健康管理科として、少しでもそのお手伝いができれば幸いです。
詳しくはこちらの診療科にて