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前十字靱帯損傷

前十字靱帯損傷とは

膝関節を安定化させるため膝には大きく4本の靱帯が存在します。前後方向の安定性に寄与している前十字靱帯と後十字靱帯、内外側方向の安定性に寄与している内側側副靱帯と外側側副靱帯があります。前十字靱帯は膝関節の大腿骨後外側から脛骨前内側を結ぶ靱帯で、膝前十字靱帯損傷は頻度の高い膝のスポーツ外傷の1つです。スポーツ活動中の急な減速や着地動作の失敗、相手選手との接触などにより膝の外反強制することで受傷します。バスケットボール、サッカー、バレーボール、スキーなどでの受傷が多いですが、ラグビー、アメリカンフットボール、柔道、格闘技などのコンタクトスポーツにおいてもしばしば受傷します。診断には徒手検査と、MRI検査が有用です。

症状

通常、急性期には関節の腫れ(関節内血腫)や、疼痛、歩行時痛、可動時痛がみられます。
多くの場合約2〜4週間で腫脹と痛みは軽減し、関節可動域も改善されるため、日常生活に不自由を感じることが少なくなります。しかし、歩行時、段差の昇降時、進行方向を変える際などに不安定感が生じることもあり、膝に上手く力が入らず膝くずれを起こすこともあります。スポーツなどを行う際には、全力走行、ターン、切り返し動作、ジャンプ、着地などの際には不安定性が出現することが多く、競技ポテンシャルは低下します。また、不安定な膝のままスポーツ活動を継続すると、半月板損傷や軟骨損傷のリスクを高める可能性があります。

治療

前十字靱帯の治療には、保存療法と手術療法の2つがあります。
断裂した前十字靱帯を保存療法で治癒させることは困難です。
治療方法の選択には年齢や活動度を考慮する必要があります。
お困りになる症状がないご高齢の方や、スポーツをほとんど行わない日常生活で活動度の高くない方は保存療法で症状のコントロールを目指す治療法が選択されます。
一方で若年の方、積極的にスポーツを行う方、保存療法で症状コントロールが難しい方には手術をお勧めしています。

保存療法

生活指導

  • 患部のクーリング患部の安静
  • 過剰な運動や仕事の制限
  • 減量 など

運動療法

  • 大腿四頭筋訓練、可動域訓練 など

物理療法

  • 電気療法、温熱療法 など

装具療法

  • 支柱付き装具 など

鎮痛薬

  • 内服薬・外用薬 など

関節内注射

  • ヒアルロン酸注射、ブロック注射 など
手術療法

関節鏡下前十字靱帯再建術

一度断裂した前十字靱帯は治癒が困難であると言われています。そのため、手術は前十字靱帯機能の再獲得を目指す再建術が一般的に行われます。前十字靱帯の代わりとなる自家腱(骨付き膝蓋腱、膝屈筋腱、または骨付き大腿四頭筋腱)を大腿骨および脛骨に作製した骨孔を通して移植する手術です。移植する腱は、競技種目や膝関節の状態と患者様ご希望を聞いて選択します。この手術は術後のリハビリテーションが非常に重要で、リハビリテーションの質が術後成績に大きな影響を与えます。定期的に筋力評価をして、筋力の回復状態を確認し、時期に応じて強度を調整したトレーニングを行います。最終的にそれぞれのスポーツに必要な膝の安定性、俊敏性、持久性などを高めるトレーニングを行い、術後8ヶ月月から1年での競技復帰を目指します。