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公立学校共済組合 関東中央病院

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内視鏡的胃内バルーン留置術

関東中央病院消化管内科では、肥満症のより非侵襲的治療として、胃内バルーン留置術を行っております(自由診療です)。

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内視鏡的胃内バルーン留置術とは

胃カメラを使って胃の中に直径が約10㎝のバルーン(風船)を留置する術式のことです。

内視鏡的胃内バルーン留置術参考画像

バルーンにはいくつかの種類がありますが、当院ではFDA(アメリカ食品医薬品局)で認可された、全世界で9割以上のシェアを占める安全性の高いORBERA🄬 というシリコン製のバルーンを使用します。Orberaバルーンはこれまで世界80ヵ国以上で使用され20数年の実績があります。

ORBERA🄬画像

バルーンを胃の中に留置することにより胃から腸への食物の排泄される時間が長くなるために満腹感が得られ、またバルーンが胃の容積の約1/3を占めることで食事摂取量が減り、効果的に体重を減少することができると言われています。胃内バルーンの留置期間は最長で6ヶ月間です。
胃内バルーンを留置することで運動・食事療法だけの場合と比較しての約3倍の減量効果があると言われています。

Orberaバルーンの留置(所要時間約20分)
  1. 鎮静剤を点滴しながら胃カメラ(内視鏡)を口から挿入します。
  2. 胃カメラで確認しながら胃内にバルーンを入れます。
  3. バルーンを生理食塩水で膨張させ径10㎝ほどの大きさにします。
  4. 胃内にバルーンを留置して胃カメラを抜きます。
Orberaバルーンの抜去(所要時間約20分)
  1. 留置時と同様に鎮静剤を点滴しながら胃カメラ(内視鏡)を口から挿入します。
  2. 胃カメラで確認しながらバルーンに針を刺しバルーン内の水を吸引して空にします。
  3. バルーンを鉗子でつかんで胃カメラと一緒に口から取り出します。

動画「胃内バルーン留置」

※音声が再生されますのでご注意ください。

動画「胃内バルーン抜去」

※音声が再生されますのでご注意ください。

対象となる人は

一般的には、①年齢20歳以上65歳以下、②BMIが27以上、③肥満に関連する健康障害を有していることが対象の条件となり、美容目的で行うことはできません。

肥満に関連する健康障害

  1. 耐糖能障害(2型糖尿病・耐糖能異常など)
  2. 脂質異常症
  3. 高血圧
  4. 高尿酸血症・痛風
  5. 冠動脈疾患:心筋梗塞・狭心症
  6. 脳梗塞:脳血栓症・一過性脳虚血発作(TIA)
  7. 脂肪肝
  8. 月経異常,不妊
  9. 睡眠時無呼吸症候群(SAS)・肥満低換気症候群
  10. 運動器疾患:変形性関節症(膝,股関節)・変形性脊椎症,手指の変形性関節症
  11. 肥満関連腎臓病

対象とならない人は

以下の項目が当てはまる場合は胃内バルーンの適応とはならないです。

  1. 内分泌疾患に伴う2次性肥満症
  2. 胃の手術歴がある
  3. 炎症性消化管疾患(潰瘍性大腸炎やクローン病など)がある
  4. 上部消化管出血の可能性がある
  5. 5㎝以上の巨大な食道裂孔ヘルニア
  6. 咽頭および食道に解剖学的異常
  7. 胃腫瘤
  8. 血液凝固障害
  9. 肝機能障害または肝硬変
  10. 重篤な精神疾患、アルコール依存
  11. 胃内バルーン留置期間に胃酸分泌抑制薬を内服できない
  12. 妊婦および授乳婦
  13. 重度の心肺機能低下や基礎疾患を有する
  14. シリコンアレルギーがある
  15. その他、施行医が不適当と判断した場合

効果は

胃内バルーンを留置することにより、平均6ヶ月間で治療前体重から標準体重を引いた体重差の1/3の減量(あるいはバルーン抜去時に平均して約10㎏の減量)が可能です。人によってはこれ以上の減量効果またはこれ以下の減量効果しか出ない人もいらっしゃいます。さらに、体重増加に伴う生活習慣病にも改善効果があり、薬による内服治療から解放される人もいます。

日本肥満学会のガイドラインでは、BMI25以上の肥満症は現体重の3%以上、BMI35以上の高度肥満症では現体重の5-10%が減量目標として掲げられていますが、内視鏡的胃内バルーン留置術によりこの減量目標を達成することが可能と考えられます。

危険性は

胃内バルーン留置に伴って重篤な合併症や有害事象が発生することは稀ですが、以下のようなものが挙げられます。

  • 嘔気・心窩部痛:最も多い副作用で、胃にバルーンを留置してから数日間は一時的に出ますが、点滴や内服薬を使うことでほとんど改善します。学会調査によると吐き気に耐えられなくて1週間以内にバルーンを抜去する人の割合は約5%と報告されております。
  • 逆流性食道炎、消化管出血、消化管穿孔、腸閉塞など(1%以下)

治療の流れ

外来診療で、肥満症の合併症の有無を評価するために、血液・尿検査、腹部エコー、腹部CT検査、上部・下部消化管内視鏡検査による消化管スクリーニングを行います。またピロリ菌感染の有無を評価し、ピロリ菌感染者に関しては術前に除菌治療を受けていただきます。

術前精査施行後に入院(2泊3日)にて内視鏡室で胃内バルーンを留置します。

  • 入院1日目:上部消化管内視鏡で胃内バルーンを留置(所要時間約20分)。
  • 入院2日目:食事代替食品(フォーミュラ食)による食事療法を開始する。
  • 入院3日目:退院。

退院後は1か月に1回の外来診察を行い、胃内バルーン留置6か月後に外来で、上部消化管内視鏡を用いて胃内バルーンを抜去します。
また、胃にバルーンが入っている期間は胃潰瘍の予防目的で胃薬を内服していただきます。

治療にかかる費用

本治療は自費診療で、費用は50万円(税込)です。
費用には内視鏡的胃内バルーン留置の入院費用(2泊3日)から退院後の月1回の外来診療(6か月間)および投薬代、外来での胃内バルーン抜去のための費用が含まれます。

  • 本人希望での入院期間が延長になる場合、別途追加料金がかかります。
  • 自費診療入院中は内視鏡的胃内バルーン留置に直接関連しない疾患の治療は行えません(混合診療の禁止)。

当院外科での肥満外科治療との違いについて

当院外科ではBMIが35以上の肥満症の方を対象に腹腔鏡下スリーブ状胃切除術が行われており、この手術は保険診療として受けることが可能です。一方、内視鏡的胃内バルーン留置術は自費となります。
当院ではBMIが27以上35未満の肥満症の方には内視鏡的胃内バルーン留置術を、BMIが35以上の方には腹腔鏡下スリーブ状胃切除術をお勧めします。

よくある質問

胃内バルーンでどれくらい減量できますか?
胃内バルーンは減量を手助けする道具であり、食事療法、運動、生活改善プログラムと合わせて使用することが重要です。どれくらい減量できるかは、食事療法や長期の生活スタイル改善にかかっています。日本内視鏡下肥満・糖尿病外科研究会の第5回アンケート調査によると、Orberaバルーンを約6か月間留置することで、平均減少体重は11㎏、超過体重減少率(%EWL)は38%と報告されています[外科81巻3号:211 ~ 214, 2019]。 しかしながら、減量効果には個人差があるため、胃内バルーンによって全く減量できない人もいます。
BMIとは何ですか?
BMI(body mass index)とは体格指数とも呼ばれ、体脂肪量と相関するため肥満の判定に用いられます。BMIは、体重(㎏)÷身長(m)÷身長(m)で算定され、BMI25kg/㎡以上の人が日本においては肥満とされます。(因みに海外では、BMI25kg/㎡以上は過体重、BM30kg/㎡以上が肥満と定義されます。)
胃内バルーンの適応は何ですか?
BMIが27以上、肥満に関連する合併疾患を有している人です。
もし胃の中でバルーンに穴が開くまたはバルーンが小さくなったらどうなりますか?
Orberaバルーンについての論文は世界で250本以上報告されていますが、バルーンに穴が開いたり小さくなることは非常に稀です。しかしながら、もしバルーンが自然に小さくなった場合は、食後に満腹感を感じなくなります。そのようなことを疑った場合はすぐに担当医に連絡していただきます。腹部のレントゲン検査・CT検査をすることで、バルーンが小さくなっているかどうかを判断できます。バルーンが小さくなっている場合は、バルーンを抜く必要があります。
胃内バルーンを抜去した後は体重が増えますか?
Orberaバルーンに関しての研究によると、胃内バルーン抜去後も食事療法・運動療法を続ければ減量効果を維持することができると報告されています。すなわち、健康的な生活を維持する必要があります。
胃内バルーンって何ですか?
胃内バルーンは外科手術を伴わない減量のための一時的な道具です。表面が平滑で柔らかく、生理食塩水で満たされた約10㎝のバルーンで、胃の中に留置されます。それによって、健康的な食習慣を取り入れ、効率的に減量することが可能です。つまり、胃内バルーンは食習慣を変えるための道具とも言えます。
胃内バルーンは安全ですか?
胃内バルーンは肥満治療として海外で20年以上の歴史があります。これまで、バルーンの形、大きさ、デザインが改良され、現在の耐久性のある製品に仕上がり、内視鏡的胃内バルーン留置術は安全な減量処置として確立されています。Orberaバルーンは世界で約30万以上の販売実績があります。
どのように胃内バルーンは減量に役立ちますか?
胃内バルーンは胃の一部を占拠できるように生理食塩水で満たされますが、それにより摂食量が減少します。最大の減量効果は最初の3か月間に出現しますが、胃内バルーンは6か月間留置されるので、減量した体重を維持するための摂食量を学ぶことができ、このことが減量に役立ちます。
胃内バルーンに関連すると考えられる副作用は何ですか?
胃内バルーン留置後数日間は嘔気や嘔吐、腹痛などを感じることが多いです。人によっては1-2週間続くこともあります。そのため、症状を抑えるような薬を点滴または内服していただきます。強い症状が出現する場合は、担当医にすぐに連絡していただきます。
胃内バルーンは胃を傷つけますか?
Orberaバルーンは胃の炎症のリスクを最小限にするためにとても平滑で柔らかいシリコンでできています。胃の中にバルーンがある期間は胃薬を内服していただき、またヘリコバクター・ピロリ菌に感染している人はバルーン留置前に除菌治療をしていただきます。 胃の手術歴がある人は、胃内バルーンにより胃の穿孔(穴が開くこと)の危険性が高いため、胃内バルーンの適応外になります。胃の手術歴がない人でも予定していた期間よりも長期にバルーンを留置することで胃の穿孔が出現することがあります。 胃内バルーンを留置した人は、通常よりも激しい、増悪する症状が出現した場合はすぐに担当医に連絡していただきます。

内視鏡的胃内バルーン留置術についてのお問い合わせ

内科外来

TEL:03-3429-1171(内線 3001)

消化管内科受診希望とお伝え下さい。
その際にいくつかのご質問をさせていただきます。
(質問事項: 年齢、身長、体重、内科受診歴 等)

肥満症、糖尿病などで、かかりつけ医のある方は紹介状を、また過去に医療機関や健康診断・人間ドックでの受けられた血液検査などの検査結果があればそれを御持参下さい。

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