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病気のはなし

眼瞼下垂症は保険で治療可能な“病気”です。

2022年2月

医員 服部 貴続

「だんだん瞼(まぶた)が下がってきた・・・」「眼をしっかり開けているのがしんどい・・・」。そう思われることはありませんか? また、ご家族の方で「最近良く瞼が開いていない様にみえる」、そんな方はいらっしゃいませんか? 「年齢のせいだから」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、その多くは“眼瞼下垂症”という歴とした“病気”です。

人間誰しもそうですが、歳を重ねるにつれて、徐々に加齢に伴う変化が出てきます。日常生活に重要な五感の1つである“視覚”は、“視力”と“視野”から成り立っていますが、そのどちらもが加齢によって大なり小なり衰えてきます。“視力”は白内障に代表される様な「眼の中の病気」によって障害されますし、“視野”は眼瞼下垂症の様な「瞼の病気」によって障害されてきます。「眼の中の病気」は眼科で治療を行なっていますが、形成外科では「瞼の病気」の治療を行っています。

“眼瞼下垂症”という病気は、視野を障害する病気の最たるものですが、その原因として、①眼瞼挙筋(瞼を持ち上げる筋肉)が伸びて効かなくなってしまう事、②瞼の皮膚が弛んでカブってくる事、の2つの機序が挙げられます。どちらも歳を重ねるにつれ、徐々に起こってくる事なので、ある程度年齢を重ねられた方なら誰しもその素因を持つと言っても過言ではありません。

ひと昔前までは、「年だからしょうがない」と言って、あまり注目されず認知されていなかった“眼瞼下垂症”という病気ですが、放っておくとそれに随伴する様々な症状を引き起こす事が解明されて来ています。瞼が下がってきて視野が悪くなると、少しでも眼を開けようとして、おでこの筋肉(前頭筋)が過度に緊張してしまいます。おでこの筋肉で眉毛を上に持ち上げる事で、引っ張るようにして瞼を挙げようとしてしまうからです。その一つのサインが、おでこの筋肉が緊張して出来る、「おでこのシワ」です。単におでこにシワが入ってしまうだけなら構わないと思われるかもしれませんが、おでこに力が入ることで、様々な筋肉が無理に緊張し、結果として肩こりや頭痛を引き起こす事が解っています。実際、”視野”を改善するために瞼の治療を受けられた患者様で、長らく続いていた肩こりや頭痛が無くなったと仰る方も数多くいらっしゃいます。

また、「瞼が下がる」という状態は、眼瞼下垂症の典型的な症状ではありますが、その背景には、稀に恐ろしい病気が隠されていることもあります。具体的には、脳腫瘍や脳梗塞といった脳の病気、癌などの悪性腫瘍による神経障害、重症筋無力症といった自己免疫疾患などが挙げられます。その多くは、専門の医師の診察を受け、適切な検査をしない限り、発見が遅れてしまいかねないものです。

瞼に限らず、人間の身体には歳を重ねるにつれて、様々な変化が起きてくるものです。「もう年だから・・・」といって眼を背けるのではなく、その身体のサインに耳を傾けて下さい。そして何か気になることがあれば、医師にご相談下さい。勿論、現代でも医療というものは万能ではありませんが、きっとお役に立てることも多い筈です。

「瞼が重い・・・」、そんな症状がもしあれば、まずは一度、瞼の専門家「形成外科」にご相談ください。

詳しくはこちらの診療科にて

形成外科

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