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公立学校共済組合 関東中央病院

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病気のはなし

お子さまの健康について少し考えてみませんか

小児科部長 八谷 靖夫

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)により、ご自身の健康について、より関心をお持ちでしょう。お子様の健康に大きな不安をかかえているご家族が多いのではないでしょうか?
 お子様の「こころの健康」に対する情報は、いろいろとあります。後ほどご紹介いたします。一方、「からだの健康」についての情報は少ないように感じます。お子様を見つめ直すという意味で、「からだの健康」に関心をお持ちいただければ、と思います。今回は、「からだの健康」が、感染症に負けないお子様のからだ作りにつながればと思いまして、この話題にいたしました。
 「からだの健康」をいくつかの要素にわけて考えてみましょう。昔から、子どもの健康を考える時、早寝早起き、何でも食べよう、外で遊ぼう、といった言葉が挙げられます。これをお読みの方々は、自身の子ども時代には誰かに言われた、育児中には子どもに言っていた、お孫さんに言ったことがある、などのご経験があるのではないでしょうか。

 まず、早寝早起きについてです。夜間勤務の仕事の増加とともに、子どもたちの生活リズムは、夜型に応じて変化しているといわれます。夜間にテレビ・動画を視聴したり、両親の生活リズムの影響を受けたりして、子どもの睡眠のリズムは大きくずれています(遅寝で短時間の睡眠)。本来は、夜眠っている間に、体のリズムを整えるのに大切な役割を果たしているホルモンの調節がされています。免疫力をあげる効果があるホルモンもあります。睡眠リズムが変化するとホルモンの分泌が悪くなり、その結果、朝起きられない、昼寝で眠れない、などの生活する上での課題が出てきます。睡眠時間の長さ、その中身(質)が、風邪のひきやすさと関連するという報告があります。将来ある子ども達の健康を考え、お子様の生活リズムを一度見つめてみることをおすすめします。

 次に、何でも食べようです。ここで、食育をご紹介します。食育とは、農林水産省では、「生きる上での基本であって、知育・徳育・体育の基礎となるもの」と定義され、文部科学省では、「子どもたちが食に関する正しい知恵と望ましい食習慣を身に付けること」と定義されています。食育基本法が2005年に制定されました。食育の定義に基づいて、近年、学校や地域で食育に関するイベントが開催されるようになりました。食育については、家庭での親御様の関わりも重要です。子ども達は「成長・発育」という特別な時期を過ごしています。偏った食事ではなく、まんべんなくいろいろな栄養素をとるように心がけてからだ作りをしたいです。また、栄養バランスだけではなく、食欲、味覚、食事作法、規則正しい食事時刻や食事回数(欠食しない)など、食習慣の確立を子どもの時期に行うとよいかもしれません。

 最後に、外で遊ぼうです。社会環境や生活環境の変化により、子ども達は、戸外で体を動かして遊ぶ機会が減り、テレビ・動画の視聴、ゲームなどの室内遊びの時間が増加していると言われています。1980年代から、子ども達の運動能力が低下している調査報告が続いています。昼間の戸外活動時間が減っていることと関係があるのかもしれません。昼間の活動量と睡眠覚醒リズムの間には密接な関係があります。日中の運動量が多いほど寝付く時刻が早く、起床時刻が早いほどその日の日中の運動量が多くなるのです。日中の運動により疲労して、早寝と良質な睡眠が確保できます。そして、それは、次の日の早起き、朝食摂取につながることが期待できます。戸外で遊ぶ際に、紫外線の健康への影響を心配する保護者の方がいらっしゃることでしょう。日本皮膚科医会と日本小児皮膚科学会による紫外線防御に対する統一見解(いずれもホームページで確認できます)がありますので、ご参照されるとよろしいかと存じます。

 お子さまの「からだの健康」を、早寝早起き、食事、戸外遊びの3点から述べてみました。ここまで読まれた方は、3つの項目それぞれが関連していることにお気づきのことでしょう。保護者の方々は、それぞれの社会的役割があり大変お忙しく、日々お疲れがあり、お子様の健康についてゆっくりと考える時間がないのではないでしょうか。ご自身の健康に関心を持つことが優先ですが、お子様の健康について少し考えてみませんか。お子様の健康面・体調面でご心配があれば、ご相談ください。

 最後に、お子様の「こころの健康」に対する情報について簡単にご紹介します。
 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、お子様と暮らしている皆様へのメッセージが、日本小児科学会「お子様と暮らしている皆様へ」、国立成育医療研究センター「新型コロナウイルスとこどものストレスについて」、のホームページにそれぞれ掲載されています。前記をご参照いただき、お子様と暮らしている皆様が少しでも安心できるように願っています。

詳しくはこちらの診療科にて