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病気のはなし

胆石について

2020年2月

医長 秋山 大

胆石は胆嚢や胆管内にできた結石で、胆嚢にあるときは胆嚢結石(いわゆる胆石)、総胆管にあるときは総胆管結石、肝臓内の胆管にあるときは肝内結石症といいます。胆嚢結石が最も多く約8割を占めます。総胆管結石のほとんどは胆嚢から総胆管へ流れ落ちたものです。胆嚢結石はコレステロール結石が多く、総胆管結石ではカルシウム・ビリルビン結石が多いとされています。

胆石について 図1. 胆石の分類 ①胆嚢結石 ②総胆管結石 ③肝内結石

胆石による症状

胆嚢結石を持っている方のうち、実際に結石による症状が出るのは3割であり、7割の方は何も起こりません。しかし、胆石が胆嚢の出口を塞ぐと痛みが出ます。その後、感染をおこし胆嚢炎となることがあります。また、胆管に移動し総胆管がふさがると、黄疸が出たりします。この状態を閉塞性黄疸といいます。更に感染がおこると胆管炎と呼び、発熱、悪寒などの症状や場合によっては意識が悪くなり、緊急治療の適応となることがあります。

胆石の診断法

胆石の診断には腹部超音波検査、CT検査、MRI検査を行います。また、必要に応じて内視鏡検査である超音波内視鏡検査や 内視鏡的逆行性胆膵管造影法(Endoscopic retrograde cholangiopancreatography:ERCP)を行うことがあります。
※ERCP:内視鏡(カメラ)を口から入れて食道・胃を通り、十二指腸まで進め、胆管や膵管に直接細いチューブを挿入し造影剤を注入してレントゲン写真を撮影する検査のことです。

胆石の治療

胆嚢結石だけでは何も症状が出ない確率のほうが高いので、胆嚢結石があるだけでは予防的に何かをする必要はありません。1年に1回程度、健診などで腹部超音波検査を行い、特に状況が変わらないことを確認すれば十分です。

胆嚢結石は外科での胆嚢摘出術、総胆管結石は内視鏡的除去術が現在では第一選択となっております。痛みの発作が繰り返しおこる胆嚢胆石には、外科的に胆嚢摘出術が検討されます。ほとんどの胆嚢摘出術は腹腔鏡下で行われるようになっています。

総胆管結石では、内視鏡(十二指腸鏡)を用いた治療が第一選択となっています。ERCPを施行し、総胆管から結石を除去します。総胆管結石を除去する為に、胆管の出口である十二指腸乳頭を広げる必要があります。広げる方法として、3つの方法があります。

1.内視鏡的乳頭括約筋切開術(Endoscopic sphincterotomy:EST)

胆管の出口にあたる十二指腸乳頭部を電気メスで切開し広げる方法です。

2.内視鏡的乳頭バルーン拡張術(Endoscopic papillary balloon dilatation:EPBD)

乳頭部をまたぐようにバルーンをおき、バルーンを膨張させることで乳頭を拡張する方法です。

3.内視鏡的乳頭大口径バルーン拡張術(Endoscopic papillary balloon large dilatation:EPLBD)

大口径のバルーンを用いて大きく乳頭を拡張する方法で大きな結石を除去するのに有効です。

広げた十二指腸乳頭より処置具を挿入し使用することにより、胆管結石を砕いたり、採ったり、また掻き出したりすることで結石を除去します。
胆石はほとんどの方が問題ありませんが一部の方では大きな問題となることがあります。胆石を指摘されていてお腹の痛みや発熱があれば一度消化器内科を受診してみてください。

詳しくはこちらの診療科にて

肝胆膵内科

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