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公立学校共済組合 関東中央病院

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病気のはなし

変形性関節症

整形外科部長   村上 元昭

 みなさん、膝(ひざ)が痛くてお困りではありませんか。

 「歩くときにつらいので杖を買った」
 「手すりにつかまらないと階段の上り下りが大変だ」
 「正座ができなくなって何年にもなる」
 「腫れてるみたいで水がたまっているんじゃないかしら」
 「O脚になってしまった」

 そういった方々にたいへん多くみられる病気が変形性関節症(へんけいせいかんせつしょう)です。
 太ももの骨(大腿骨、だいたいこつ)とスネの骨(脛骨、けいこつ)のつなぎ目が膝関節で、骨の表面には骨と骨がぶつからないようにするために軟骨というクッションがくっついています。軟骨があるおかげで膝は曲げ伸ばししても痛くないしスムーズに動きます。ところが長年からだを使っているとこのクッションがだんだんすり減っていきます。レントゲンで「スキマがなくなってますね」といわれる状態です。最終的には骨どうしが直接こすれあって骨が削れてしまいます。これが“変形”です(痛そうじゃないですか?)。
 この“変形”は骨や関節の老化現象とも言えるもので、国の実施した調査によると40歳以上の男性の42.0%,女性の61.5%、人口の約5分の1の人の膝が変形性関節症になっていたそうですから、年齢が上がるにしたがって膝の痛い人が増える訳です。

治療について
“老化なら仕方がない”とあきらめては、待っているのは“寝たきり”です。
 そうなる前に、“なんか最近痛いな”と気づいたら、まずは簡単にできる体操から治療を始めましょう。

①大腿四頭筋訓練
  膝には大腿四頭筋のいう膝を伸ばす筋肉がありますが、この筋肉のトレーニングが重要です。ひとつは、寝た姿勢で膝の下に枕を入れて、5秒程度、枕をつぶすようにじんわり力を入れる運動です。

変形性関節症

 もうひとつは、仰向けに寝て、片方の膝を伸ばしたままでゆっくり膝を上げて、床から10cmの高さのところで5秒間、足を静止する運動です。
それぞれ20回1セットとし1日に3セット、行いましょう。地道なリハビリですが、もっとも大切なトレーニングです。

 体操こそが最も効果的で、一生必要なものです。でも効き目がでるまでに時間がかかりますので、その場合は、

②飲み薬、湿布
 どちらも“痛み止め”であり変形を治すことはできませんが、早く効くもの、だんだんと効果があらわれるものなど、いくつか種類がありますのでご相談ください。副作用がでることもあるので、飲みすぎない注意が必要です。

③膝関節注射
「ヒアルロン酸」を関節内に注射する治療です。「ヒアルロン酸」を注射することで、関節軟骨を保護したり、関節内の炎症を抑制をすることで、痛みを和らげる効果が期待できます。

手術について
 ①②③の治療で効果が得られない場合は手術が必要か考えます。この病気の人はいつか必ず手術をしないといけない、ということではありません。

④膝関節鏡

変形性関節症

 骨の変形が軽度で、半月板の損傷による膝の痛みの方には、膝の中にカメラを入れて痛んだ部分を切除する手術があります。
 通常、5㎜程度の傷が2ヵ所で行えるため、体にも負担がかかりにくい手術で、入院期間も短くて済みます。当院でも行っている手術のひとつです。

⑤人工関節
 変形した骨の代わりに金属を入れる手術です。痛みの原因とってしまうのですから、効果の期待できる治療です。歩いても痛くなければ日常生活は快適になり、旅行に行くこともできるようになるでしょう。この手術の後はリハビリテーションをしっかりやらないと効果が半減してしまいます。当院では丁寧なリハビリテーションを行いながら安心して退院していただけるようにスタッフ全員でサポートいたします。

変形性関節症
手術前(左)と手術後(右)

 以上が膝の痛みに対する主な治療です。その病態や程度、治療方針は患者様によりさまざまです。適切な時期に適切な診断をして、適切な治療をすることが大切になります。

 膝の痛みについてお悩みの方は、ぜひ、整形外科を受診されることをおすすめします。

詳しくはこちらの診療科にて