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病気のはなし

「しみ」のはなし

2008年2月

部長 増子 貴宣

「しみ」は日本人をはじめとする黄色人種には特にできやすく、とても身近な疾患です。40歳以上で「しみ」が一つもない方はほとんどいないでしょう。しかし、一言に「しみ」と言っても、実は様々な種類のものがあります。それぞれ治療法が異なるため、正しい診断に基づいて、適切な治療法を選択する必要があります。

しみの種類

一番頻度が高いのが、日光性のしみ(日光性色素斑)です。顔面や手背などに生じる茶色い色素斑で、Qスイッチレーザー治療が著効します。30歳代以降の女性の頬部に見られる、左右対称で淡褐色のべったりとしたしみは、肝斑といいます。女性ホルモンによるメラニン細胞の活性化と、紫外線や摩擦などの慢性的な炎症が原因とされています。レーザーを照射すると色素沈着が悪化するため、トレチノイン、ハイドロキノンといった外用薬で治療します。けがや火傷の跡に生じるしみは炎症後色素沈着です。深さに応じて外用かレーザーで治療します。 脂漏性角化症は、老人性疣贅(いぼ)とも呼ばれる、茶色い隆起が貼りついたような境界明瞭な腫瘍です。炭酸ガスレーザーで隆起を削って治療します。母斑は先天性色素異常で、太田母斑(前額~眼周囲にみられる青色斑)、異所性蒙古斑(四肢や体幹に生じる青色斑)、扁平母斑(境界明瞭な茶褐色色素斑)などがあります。いずれもレーザー治療の対象となりますが、日光性のものに比べると再発したり色調の改善が乏しいことが多く、長期間にわたり複数回の照射を要することがあります。

しみの治療方法

(1)当科におけるレーザー治療

Qスイッチアレキサンドライトレーザーはメラニン色素に選択的に吸収される波長を持ち、正常皮膚にほとんど障害を与えずにしみを治療することができます。いぼやホクロなどは炭酸ガスレーザーで削って治療します。

(2)当科における外用治療

レチノイン酸を含む軟膏(トレチノイン)を、朝晩患部に塗布する治療法です。レチノイン酸には表皮角化細胞の分化と増殖を促進する作用があり、メラニン色素を含んだ皮膚を脱落させていくため、しみを薄くするだけでなく、ニキビ跡、くすみ、小皺、肌のきめの細かさなども改善することができます。一方、ハイドロキノンはメラニン色素の産生を抑制する塗り薬です。既に存在するしみを消すことはできないため、レーザーやトレチノインでしみ取りを行った後に、しみの再発を予防するために用います。

このように、同じような「しみ」に見えても色々な種類があり、それぞれに対して色々な治療法があります。気になる「しみ」がありましたら、お気軽にご相談ください。なお、しみ治療は多くの場合で自費診療になることをご了承下さい。

詳しくはこちらの診療科にて

形成外科

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