産婦人科医長 岡部葉子
先日、健康保険組合が実施する癌検診についての厚生労働省の初めての実態調査が行われました。国は受診率5割、を目標としていますが、受診を推奨されている5つの癌検診のうち、肺がん、大腸がん、胃がん検診は71.9~56.6%と目標をこえていますが、乳がんは34.7%、子宮頚がんは32.2%と低いものでした。
またせっかく検診を受けて異常が見つかっても、その後の精密検査を受けた方は乳がんで69.5%、子宮頚がんで64.9%と半分は超えたものの8割に満たない状態でした。
子宮頚癌の発症年齢は若年化していますので、若い方々だと仕事や子育てなどで忙しく、なかなか受診の時間を作ることが難しいかもしれませんが、子宮頚癌の精密検査は外来で行うことができ、多少の出血はあるものの痛みなどもそれほどなく、30分ほどでできるものです。早期にみつかれば治療方法もより負担が少ない方法を選択できるかもしれません。
とはいっても、内診台に乗るのが恥ずかしい、痛そうだし怖い、等々、なかなか婦人科の敷居が高いのも事実です。一度きてみると、たいしたことはなかった、とおっしゃる方が多いですが、最初は勇気がいりますね。当科では診察時に使用する器械を必要に応じてできるだけ小さなものにしたりと、患者さんの負担を軽減する工夫をしています。
世田谷区に在住の方は20歳以上であれば区の補助を受けての検診が当院でも可能です。20歳~39歳までは毎年、40歳以上の方は隔年で受けることができます(40歳以上の方は一緒に乳腺外科で乳癌検診を受けることもできます)。また、診察の前にお話を伺いますので月経やその他のことで気になることがある方はぜひ受診してみてください。
「世田谷区乳がん検診」を受診される方は必ず事前にご予約の上、ご来院ください。
予約・問い合わせ先
03-3429-1171 内線2121