病気のはなし
「切らない美容医療」でできること ―ヒアルロン酸・ボトックス・糸リフトの効果と注意点―
美容医療は近年、手術を伴わない「切らない治療」の選択肢が広がっています。ヒアルロン酸注入、ボトックス注射、糸リフトは、いずれも日帰りで受けられる手軽さとナチュラルな変化が期待できることから、その良さを実感していただける機会が増えているのではないかと感じています。
一方で、「安全なの?」「痛みや腫れは?」「効果はどのくらい続くの?」といった不安を感じられている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回、これらの効果と安全性や注意点を、形成外科専門医の立場から解説させていただければと思います。正しい知識を得ることで、過度に構えず治療を受けていただくきっかけとなれば幸いです。
1. ヒアルロン酸注入 ―ボリュームとしわを自然に整える
副作用の多くは腫れ・内出血・赤み・軽い痛みといった一過性の局所反応で、多くは数日~2週間程度で自然に軽快します。その間もお化粧で隠せる程度であることが多いようです。
一方で、ごくまれに血管内への注入により、皮膚壊死・視力障害といった重篤な合併症が生じることが報告されています。このリスクは解剖学的知識に基づいた安全な注入技術によりぐっと減らすことができます。ですので、信頼できる医療機関で、解剖を熟知した経験のある医師による施術を受けることが重要だと考えます。
2. ボトックス ―表情じわ、歯ぎしり、食いしばりに
もうひとつ、ボトックスは、歯ぎしりや食いしばりにも効果があります。歯ぎしりや食いしばりの多くは、あごを動かす「咬筋(こうきん)」という筋肉が、寝ている間などに無意識に過剰に働いてしまうことが原因です。ボトックスをこの咬筋に注射することで、筋肉の過剰な収縮が和らぎ、歯ぎしりの回数や、それに伴うあごの痛み・エラの張りの軽減が期待できます。施術自体は5~10分程度と短時間です。痛みも比較的少なめです。腫れも目立ちにくいのが特徴です。まれに、注射部位や量によって眉の左右差・下垂、表情のこわばりといった一時的な副作用が生じることがありますので、個人的にはまず少量から開始し、調整することをお勧めしています。ボトックスの効果も永続的なものではなく、個人差はありますが、3~6か月程度で効果が薄れていきます。ヒアルロン酸と同様、「メンテナンスしながら付き合っていく」治療となります。
3. 糸リフト ―お顔のたるみに
糸リフトは、体に吸収される特殊な「糸」を、皮膚の下に挿入する治療です。この糸にはコグ(トゲ・かえし)と呼ばれる細かい突起がついていて、これが皮膚の内側やさらに深層の組織に引っかかることで、たるんだ部分を物理的に引き上げます。挿入した糸自体は、半年~2年ほどかけて体内で自然に吸収されて消えていきます。その際の体の反応によってコラーゲン再生が促され、皮膚自体の引き締めにも効果があります。
施術は局所麻酔をした上で、専用の針で糸を挿入していきます。時間は部位や本数にもよりますが、30分~1時間程度です。本格的なフェイスリフト手術と比べると、その効果は劣りますが、傷跡が残らず、腫れや内出血なども短めなのが特徴です。
施術後は、つっぱるような違和感や、軽い腫れ、内出血が出ることがありますが、多くは1~2週間ほどで落ち着きます。
こちらもヒアルロン酸やボトックスと同様、永久的な治療ではないため、効果を維持したい場合は定期的な施術がおすすめです。
4. まとめ
ヒアルロン酸、ボトックス、糸リフトはいずれも、国内外の医学文献で有効性と一定の安全性が示されている治療法ですので、多くの方が満足度の高い結果を得られる治療といえます。
一方で、どの治療にも「絶対に安全」というものはありません。だからこそ、施術前の十分な説明と、経験豊富な医師による診療が必要と考えます。
当院では、お一人おひとりのお悩みやご希望を丁寧にお伺いし、それぞれの治療のメリット・デメリットを正直にご説明し、ご納得いただいた上で治療を進めています。
また、製剤に関しても厚生労働省承認のものなど厳選したものを使用し、安全性に配慮しております。
「まずは、相談してみたい」という方も、どうぞお気軽にお問い合わせください。
詳しくはこちらの診療科にて

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