このページでは、Javascriptを使用しています

病気のはなし

子宮がん検診を受けていますか?

産婦人科部長 中江 華子
(緑のひろば 2015年7月号掲載)


子宮がんは、できる場所によって「子宮頸がん」と「子宮体がん」にわかれており、一般に子宮がん検診の際に全員の方に行われているのは子宮頸がんの検診です。では、子宮頸がんとはどういう病気なのでしょうか。

子宮頸がんとパピローマウイルス
 子宮頸がんの原因がパピローマウイルス(HPV)の感染だということがわかってきました。パピローマウイルス自体はありふれたウイルスで、性交渉のあるほとんどの女性が一度は感染するのですが、約90%は自分の免疫力で自然に治ります。残る10%の人では感染が持続し、細胞に変化が起きてがんの何歩か手前の段階である異形成という状態になります。そのような状態に、免疫や喫煙などの様々な要因が加わって徐々に進行していくと、軽度異形成が中等度異形成になり、高度異形成になって子宮頸がんに進行するのです。ピロリ菌に持続感染していると胃がんの原因になるのと似ていますね。

子宮頸がん検診でできること
 子宮頸がん検診では、子宮の出口である子宮頸部を綿棒やヘラでこすって細胞を取り、内診でわかるような異常がないか確認します。診察室でする検査は、ここまでです。あとは顕微鏡で細胞の形を見てパピローマウイルスの感染が疑われる細胞がないか、異形成が疑われる細胞がないか、がん細胞がないか調べるのです。

子宮頸がん検診で異常が見つかったら
 子宮頸がん検診は、取ってきた細胞の中に異常な細胞がないかを見る検査ですので、異常が見つかった場合は精密検査を行うために産婦人科受診が必要になります。

パピローマウイルスの感染が疑われる細胞が見つかったら
 子宮頸がんにつながるようなハイリスクのタイプのパピローマウイルス(16, 18, 31, 33, 35, 39, 45, 51, 52, 56, 58, 59, 68型)に感染していなければ心配ありませんので、そのようなハイリスクのパピローマウイルスがいるのかどうか検査をします。

異形成が疑われる細胞がみつかったら
 子宮頸部を拡大鏡で見ながら組織を少し取り(生検と言います)、顕微鏡で見て異形成や上皮内がん、さらには進行したがんが潜んでいないか調べます。

万が一がん細胞が見つかったら
 たとえ子宮頸がんが見つかっても早期の状態であれば治療成績はとても良いですし、ごく初期のがんであれば子宮頸部の治療だけで子宮を残すこともできます。ごく初期に早期治療ができれば100%治るものですから、ぜひ子宮頸がん検診を受けて早期発見につなげてください。

当院では子宮がん検診を随時受け付けています。自覚症状もないのに婦人科を受診するのは勇気のいることかもしれませんが、世田谷区の子宮がん検診の指定医療機関にもなっていますので、気軽に受診してみてください。世田谷区の受診票をお持ちの方は、初診でも外来予約がとれますので、ぜひ事前にご予約の上で来院してください。


診療科のご案内

産婦人科



交通のご案内

今月の担当医

休診情報

公立学校共済組合の皆さんへ


採用情報

看護部Webサイト

ボランティアについて

行事・イベント

病院広報誌 緑のひろば

日本医療機能評価機構認定病院

厚生労働省臨床研修指定病院

このページのトップへ