このページでは、Javascriptを使用しています

病気のはなし

閉塞性黄疸について

消化器内科 木暮 宏史
(緑のひろば 2008年7月号掲載)


肝臓はさまざまな働きをしていますが、そのひとつに「胆汁」という、主に脂肪を分解する消化液を作るという働きがあります。作られた胆汁は「胆管」という管を通り、途中にある「胆嚢」という袋にためられた後、「総胆管」という管を通って十二指腸に排出されます。

黄疸の原因はいろいろありますが、何らかの原因により胆管がつまってしまい、本来腸の中に排出される胆汁が血液の中に逆流して起こる黄疸を「閉塞性黄疸」といいます。血液検査の上では「ビリルビン」「γGTP」「ALP」といった値が上昇してきます。自他覚的には、皮膚や目が黄色くなったり、体がかゆくなったりします。血液に逆流した胆汁が腎臓から排泄されるようになるので、尿がコーラ色になります。また、胆汁が腸に流れなくなるので、便の色が白っぽくなります。
閉塞性黄疸の状態が長く続くと、肝臓や腎臓といった大事な臓器に悪影響が起こるだけでなく、つまった胆管の中の胆汁に細菌が感染し、「細菌性胆管炎」を起こすと命にかかわる危険性も出てきます。
閉塞性黄疸の原因はいろいろありますが、一番多いのは「総胆管結石」です。その他の原因には、「胆管がん」「膵頭部がん」などがあります。
総胆管結石では、胆管に結石がはまり込むと閉塞性黄疸をきたします。原因としては胆嚢内の石がこぼれ落ちる場合と、総胆管内に直接石ができる場合とがあります。
比較的急激につまるので、多くの場合上腹部痛や発熱などの症状を伴います。胆管がんは、胆管の内側に向かって成長して胆管をふさぎ、閉塞性黄疸をきたします。膵臓がんのうち、十二指腸に近い場所(膵頭部)に癌ができると総胆管を圧迫して閉塞性黄疸をきたします。がんの場合、ゆっくり胆管がつまるため、腹痛などを伴うことはあまりありません。
閉塞性黄疸を改善するためには、つまった胆管の中の胆汁を外に出す(ドレナージ)必要があります。方法としては、内視鏡で十二指腸にある胆管の出口からチューブを入れる「内視鏡的胆道ドレナージ」や、お腹から皮膚と肝臓を通して胆管にチューブを入れる「経皮経肝的胆道ドレナージ」があります。
閉塞性黄疸を起こしている原因によって、その後の治療はさまざまです。総胆管結石であれば、内視鏡的に結石を取り除きます。がんであれば、手術による切除が基本になります。手術が不可能な場合は、胆管のつまっている場所に金属の管を入れるステント留置などを行います。


※木暮医師は現在は在籍しておりません



診療科のご案内

消化器内科


交通のご案内

今月の担当医

休診情報

公立学校共済組合の皆さんへ


採用情報

看護部Webサイト

ボランティアについて

行事・イベント

病院広報誌 緑のひろば

日本医療機能評価機構認定病院

厚生労働省臨床研修指定病院

このページのトップへ