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病院広報誌

緑のひろば

2017年12月号

硬膜外麻酔について

麻酔科部長 重松 次郎昌幸

 今回は麻酔科が施術する鎮痛法の中でも絶大な効果が期待できる、硬膜外麻酔について簡単にご説明します。

 誰でも手術を受けるのはご不安でしょう。ましてや手術後の痛みに関して想像するのは嫌なものですよね。手術の中でも、呼吸器外科のような肋間(あばら骨の間)から入る手術や、お腹を切る手術は、一般的に他の部位の手術よりも術後の痛みが強いと言われています。

 皆さんの背骨の中には脊髄という神経の束が入っています。ヒトは痛みを感じると、痛みを感じた部位を起点として末梢神経から次第に太い神経に合流し、やがて脊髄に達し、最終的に脊髄から脳まで痛み刺激が伝達されて痛みを感じます(首よりも下の場合)。脊髄は硬膜という膜で覆われていて、その硬膜の外側には細い管が入るほどのスペースがあります。これを硬膜外腔といいます。

 硬膜外麻酔とは、お背中を局所麻酔した後に比較的太い針を硬膜外腔まで進め、この針伝いに直径僅か1mm弱の細い管を硬膜外腔に留置し、この管を通じて局所麻酔薬などの鎮痛薬を注入することによって、末梢神経からの刺激伝達を遮断し、痛みを緩和するというものです。

硬膜外麻酔について 硬膜外麻酔について

 当院では呼吸器や腹部の手術の多くの場合、全身麻酔と共にこの硬膜外麻酔を併用しています。先程ご説明したように、硬膜外麻酔では細い管を硬膜外腔に留置するため、この管を抜かなければ手術中のみならず、手術後にもこの管を通じて鎮痛剤を持続的に注入したり、追加で薬液を注入することが可能になります。さらに硬膜外麻酔では、他の鎮痛方法と比較して比べものにならないほど良質な鎮痛効果が得られます。ですから、私たちは積極的に硬膜外麻酔を選択しているのです。

 勿論、合併症が皆無という訳ではありません。非常に稀ですが、神経障害を引き起こしたり、また頭痛が起きることもあります。しかしながら、それらを勘案してもなお、硬膜外麻酔による鎮痛には絶大な効果が得られるという利点があるのです。ただし、血が止まりにくいなどの合併症がある場合には、この硬膜外麻酔を施行出来ないことがありますので、その時は他の鎮痛手段を取ることになります。

 この記事をお読みの皆さまとは、なるべくご病気やお怪我で手術室にいらっしゃることの無いよう、私たち麻酔科と関わり合うことの無いよう心よりお祈り申し上げますが、もし万が一そのような状況になり、麻酔科医から硬膜外麻酔の話をされた場合には、背中から注射をされるのは怖いだとか、痛いから嫌だとか言わずに、なるべく素直にお受けになってみてくださいね。一時の痛みを我慢できずに硬膜外麻酔をお受けにならないと、手術後に後悔されるかも知れませんよ。

 手術前に分からないことがあれば、何なりと質問してくださいね。


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