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病院広報誌

緑のひろば

2017年7月号

乳腺外科からのひとこと

乳腺外科部長   館花 明彦

久しぶりの『緑のひろば・病気の話』担当です。前回このコーナーで、海外の有名女優さんの予防的乳房切除を取り上げましたが、良くも悪くも有名人の病気報道は世間の関心を集めるものです。このところ「あの人が乳癌だって?」「この人の家族が乳癌で治療を始めた」「乳癌で亡くなる人が増えた」などなど、耳にする機会も多いでしょう。さて、実際のところはどうでしょう?

まず簡単に言えば、癌全体は確かに増えています。これは伝染病など感染症、心臓・脳の病気などの医療が進み、ヒトが長生きになり、残った病気が癌だと考えればわかりやすいですね。しかし医療は絶えず進化しています。癌にかかる人と癌で亡くなる人を分けて考えなければいけません。どういうこと?

日本人は一生涯で癌にかかる人は二人に一人で、特に80歳以上の患者が増えていますが、癌で亡くなる人は五人に一人ほどです。では男女に分けてみましょう。男性がかかる癌は多い順で胃癌、大腸癌、肺癌。女性は乳癌、大腸癌、胃癌の順。ほらっ!やはり乳癌が悪いじゃないか、と思うのは少しおいておきましょう。死亡数の多い癌をみると、男性が肺癌、胃癌、大腸癌の順で、女性は大腸癌、肺癌、胃癌の順。あれ、、、、?
解りやすいよう、人口1万人あたりで癌にかかる人数を多い順にしてみます。男性は胃癌・14人、大腸癌・13人、肺癌・12人。女性は乳癌・11人、大腸癌・9人、胃癌・6人。死亡数は同じく男性は、肺癌・8人、胃癌・4人、大腸癌・4人。女性は大腸癌・4人、肺癌3人強、胃癌3人弱。なお、治療して5年後に生存している人は胃癌で6割、肺癌で3割となります。
一方で乳癌は10年の生存で比較するなど、全体にのんびりした癌です。長年たてば薬だって変わっているでしょう。いろいろな癌を見つけられる人が増えても、治療をしっかり受ければ、癌退治が十分に可能な場合が多いのです。
検診で精密検査や治療が必要と判定されても慌てず、風評を信じないことが大切。ところで皆さんは胃腸や肺の検査、しっかり受けましたか!?

※本文中のDataは、主に国立がん研究センター発表数値等を元に館花が概略した。

 

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