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病気のはなし

肝臓の声、聞こえてますか?

消化器内科 後藤 絵理子
(緑のひろば 2013年6月号掲載)


春の健康診断も無事に終わってほっとしたのもつかの間、皆様、結果をきちんと確認されていますか?まだの方も既にご覧になった方も、今一度、検査結果を確認してみてください。

血液検査の肝機能のところに「要注意」「要検査」などと書かれていませんか?
要注意と書かれていても何の症状もないし、大したことないだろう、きっとおおげさに書いてるだけだろう・・・そんなふうに思われている方がいるとしたらそれは大きな間違いです。

肝臓は普段から500以上の仕事を黙々とこなしています。主な仕事はお酒や薬物など、体に入ってきたものを解毒して無害な物質に変えたり、体にとって大事な酵素や蛋白などを作ったり、エネルギーを蓄えたりしています。

肝臓が病気で働けなくなると、これらがうまくいかなくなるので、体のいたるところに支障をきたしてしまいます。肝臓は非常に寡黙で頑張り屋な臓器なので、なかなか弱音を吐かずになんとか耐えて頑張るのですが、それにも限界はあります。

肝臓は沈黙の臓器。
どこかで聞いたことがあるかもしれませんが、それがこの言葉の由来です。

肝臓は、病気が進行して本当に手遅れ状態になって初めて自覚症状が現れます。気づいた時には肝硬変、肝不全、肝癌になっていて後悔する事がないよう、早いうちに肝臓が発する危険信号を見過ごさないことが必要です。そして、日頃から肝臓に負担をかけすぎないようにすることも大事なことです。

具体的にはアルコールの連日にわたる大量摂取や脂肪の取り過ぎ、薬物の大量摂取などで肝臓に負担をかけないようにすることが日常的に肝臓疾患を予防する上で大事です。その他、B型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルスなどのウイルス性の疾患や自己免疫性肝炎といった病気も肝臓へ負担をかけてしまう原因の一つですので、そのような病気にかかっていないかどうかも調べましょう。

肝臓に負担がかかってくるとGOT(AST)、 GPT(ALT)、γGTP、アルブミン、ビリルビン、血小板、プロトロンビン時間といったいわゆる肝機能の検査値に異常が出ます。これは肝臓が発している小さな危険信号です。

採血結果を見るときにそのような数字に異常がないか常に気をつけるとともに、もし異常値であったときには肝臓からの小さな声を放っておかずに、必ず一度、消化器内科を受診してください。より病状を把握するために採血検査や超音波検査等を行い、それに応じて治療していきます。

肝臓疾患の治療の原則は、肝臓に負担をかけているものの除去します。つまりウイルス性ならウイルスの増殖を抑えるような治療、アルコール性なら禁酒、薬剤性なら原因薬剤の中止、脂肪・肥満が原因であれば、食事療法と運動を指導していきます。

当院では肝臓に関係した血液検査異常、あるいは超音波所見による異常が見つかった場合は迅速な検査・治療を行える体制を整えております。もちろんウイルス肝炎医療費助成を用いた治療にも対応しております。個別の治療法についてはいつでもご気軽に御相談ください。


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