肝細胞癌は非常に再発率が高いことが知られており、外科的切除によって癌を完全に除去しても5年で約80%の患者さんに再発が生じます。それは癌を切除した後に残った肝臓が非常に癌を発生しやすくなっているためです。

 C型肝炎患者さんの肝臓は長い年月をかけて徐々に線維化(肝臓が硬くなること)が進みますが、線維化が高度であればあるほど癌の発生率が高くなります。同じように、治療後の再発率は線維化の程度が進むに従って高くなることが我々の検討によりわかりました(文献4、図4)。

 インターフェロンでウイルスが消えると、肝臓の炎症が沈静化し、線維化も徐々に改善します。実際、肝細胞癌治療後のC型肝炎患者さんにインターフェロン治療を行ったところ、インターフェロンを行わなかった患者さんと比較して再発率の抑制と、予後の改善が認められました(文献5)。

図4 肝線維化別の肝癌再発率