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病院広報誌

緑のひろば

2017年9月号

円形脱毛症

皮膚科部長  鑑 慎司

 円形脱毛症は、円形の脱毛斑が頭部に単発、あるいは多発する皮膚疾患です。重症になると、眉毛、睫毛、髭はもとより全身のあらゆる部位の毛が脱落します。円形脱毛症は毛包組織に対する自己免疫疾患と考えられています。白血球の一種であるリンパ球が自分の毛包を攻撃して破壊するから脱毛斑ができると言われています。円形脱毛症には、甲状腺疾患、尋常性白斑、全身性エリテマトーデス、関節リウマチあるいは重症筋無力症などの自己免疫性疾患、アトピー性皮膚炎、気管支喘息、アレルギー性鼻炎などが合併することが知られています。また、脂漏性皮膚炎などの頭皮の皮膚疾患、化学療法の副作用、貧血、梅毒、亜鉛や鉄の欠乏などでも脱毛は起こりますので、これらの有無を確認することが重要です。その一方で原因が不明な円形脱毛症も多いです。ストレスで円形脱毛症になるとよく言われますが、いつもそうとは限りません。

 円形脱毛症の治療についてです。軽症の場合はステロイドや塩化カルプロニウムの外用、グリチルリチンやセファランチンの内服、および液体窒素などで治療します。軽症ならば1年で80%が治癒します。重症な時はステロイド局所注射、局所免疫療法、点滴静注ステロイドパルス療法などを用いることがあります。

 ステロイド局所注射は炎症や免疫機能を抑える効果のあるステロイドを、脱毛斑に注射します。効果は比較的強く、ガイドラインでは最も推奨される治療法のひとつです。注射時に痛いので、脱毛が広範囲だと実施するのが困難です。注射部位がへこむことがありますので注意が必要です。治療は何カ月もかかります。

 局所免疫療法はスクアレン酸ジブチルエステル(SADBE)か、ジフェニルシクロプロペノン(DPCP)を使って、人工的にかぶれを起こさせることにより発毛を促す治療法です。使う薬品は健康保険で認められてはおらず研究試薬ですので、使用に当たっては患者さんの同意が必要です。最初に高濃度のものを脱毛斑の一部に塗布して感作させてから、1〜2週間後に低濃度のものを脱毛斑すべてに塗布、その後至適濃度まで徐々に濃度をあげて治療します。これも効果は比較的強く、大半の人に発毛効果があります。ガイドラインで最も推奨されるもう一つの治療法です。我慢できる程度のかゆみで治まるよう調節しながら治療を行いますが、かゆみがとても強く出る方が時にいらっしゃいます。この治療も何カ月もかかります。

 ステロイドパルス療法は3日間の点滴でステロイドを大量投与する治療です。点滴中は細菌やウィルスに対する抵抗力が弱くなりますので、入院して行います。不眠、動悸、頭痛、微熱、倦怠感などの副作用がでる場合があります。一度で済む場合もあれば、何回か繰り返し行う場合もあります。

 以上が通常の治療法ですが、それでも無効な場合は、DPCPを用いた局所免疫療法と、アントラリン(anthralin)軟膏の併用療法を当院では臨床試験として実施中です。DPCPとanthralinの併用療法は、DPCP単独療法よりも円形脱毛症に対する治療効果が高いと2015年に海外で報告されています。当科では円形脱毛症の治療は一通り実施しておりますので、円形脱毛症が気になるときは、お気軽に当科までご相談ください。


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