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病院広報誌

緑のひろば

2016年10月号

チームドクターの仕事

整形外科 橋本 立子

 今年の夏はリオデジャネイロオリンピック・パラリンピックが開催されました。日本代表選手のすばらしい活躍や世界のトップアスリート達の凄さに圧倒され、寝不足気味になってしまわれた方もいらっしゃったのではないでしょうか。

 さて、私は当院整形外科勤務の傍ら、今年9月30日からヨルダンで開催される17歳以下(U17)女子サッカーワールドカップに出場する日本代表チームのメディカルスタッフの一員として、チームドクターとしての活動をさせていただいております。メディカルスタッフは医師3名とアスレチックトレーナー(AT)1名で構成されており、医師は活動ごとに分担して1名が帯同しています。この原稿が載る10月は、未来のなでしこジャパンの選手達が、世界の強豪を相手に優勝を目指して戦っている真っ最中です。

 今回は、チームドクターの仕事について、少しご紹介させていただければと思います。

 チームドクターというと、試合中に選手が怪我をした場合などに、駆け寄って行くスタッフの姿を目にされたことのある方もいらっしゃるかもしれません。選手の状態を見極めプレー続行可能であるかどうかを判断し、監督に伝えるというのが、この時のドクターの役割になります。しかし、試合中以外にも実は色々な事をしています。代表の活動は主に合宿や遠征になりますので、まず選手が到着する前に宿舎の一室をメディカルルームとして設営します。メディカルルームでは、選手の診察をしたり、テーピングを巻いたり(基本的には自分で巻けるように指導をします)、ストレッチや筋トレなどのセルフケアの指導などをATと一緒に行っています。また、毎日朝夕に全選手が検温や脈拍測定、体重測定などをしに来ますのでそこで体調の変化はないか、元気のなさそうな選手はいないかなど、声をかけ、ちょっとした雑談などをしつつ確認します。練習中は、特に暑い時期には、熱中症にならないよう水分補給が適切に行われるように注意を払います。成長期の彼女たちに起こるからだの変化や、必要な食事・栄養の取り方など体調管理の仕方(特に自己管理の重要性)や、ドーピングについての教育もミーティングの時間などに機会を得て行っています。

 普段の病院での業務とは少し異なり、『保健室の先生』のような役割も多く、戸惑うこともありますが、代表選手であるという自覚を持って一生懸命にあらゆることを吸収しようとする彼女達の姿勢には気づかされる事も多く、そんな彼女達をサポート出来る事に喜びとやりがいを感じています。

 今回のワールドカップでは、皆が怪我や病気など無くベストを尽くし、良い結果を得ること、ひとつでも多くの経験を積んで、より一層成長してくれることを期待しています。そして、4年後には1人でも多くの選手が“TOKYO2020”を沸かせるようなプレーヤーになっていて欲しいと願っています。

 


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