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病院広報誌

緑のひろば

2016年5月号

手のしびれ

整形外科 林 達夫

皆さんの中で 手のしびれにお困りの方はおられますか?

脳から指先にいたる神経のどこかで問題があると、手のしびれが生じます。

大まかに分けると
・頚椎および頚の脊髄由来のしびれ
・末梢神経によるしびれ
があります。

私どもは手のしびれを訴える方がいらした時は、まずは診察によってしびれている範囲を特定すること等により頚椎由来、末梢神経由来、または両者の合併している状態であるかを判断します。

その上で画像検査、末梢神経伝導速度検査等の詳しい検査によって診断を確定して行きます。

末梢神経由来の疾患に『手根管症候群』があります。これは手首の掌側の靱帯他の三方を骨で囲まれた空間(手根管)で神経が圧迫され 拇指(親指)〜環指(薬指)までがしびれる疾患です。

圧迫の原因は手の使いすぎによる腱鞘炎、リウマチや血液透析に伴う特殊な蛋白の蓄積などが挙げられます。

早朝起床時や手を使っている時に親指から薬指がしびれ、手を振ると軽快する等の典型的な症状があります。

症状が進むと常時しびれるようになり、握力が低下、親指の根元の筋肉が萎えてしまい親指と小指がつけられなくなる等、麻痺の進行が起こり日常生活にも差し支えることとなります。

治療としては、手首の安静、手首を固定する装具の装着、神経の修復を図るビタミン剤の内服を行いつつ症状の推移を見せていただきます。症状の軽快がなく日常生活にもお困りとなっているときは手術治療を考慮します。その際には、他にも頚椎疾患の合併があるかを考えて、手術によって症状の軽快する部分と残存する可能性について十分にご説明差し上げます。

『手根管症候群』の手術には、大きく分けて二種類あります。従前から行われている掌を比較的大きく切開する方法と内視鏡を利用する「鏡視下手根管開放術」です。

「鏡視下手根管開放術」は手首の手前を約1cm切開して鉛筆くらいの透明な管(外套)を手根管内に入れて内視鏡で見ながら靱帯を切開し、手根管内の圧迫を取り除く方法です。

掌に手術の創がありませんので、術後も手指を軽く洗えたり、頻回の消毒が不要となるなど患者様にも負担の少ない手術方法です。また、基本的に入院の必要はなく、手術直後から手の指を動かしていただける等の特徴もあります。

手術に関しては、状況によっては比較的大きく切開する必要が出てくることもあります。患者様の状態に応じて、負担の少ない内視鏡手術を念頭に治療しております。

手のしびれでお困りの方、一度御相談ください。

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